其の十三

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「怖いって、思わないのか?この手・・」 自分の手を開いて、じっと見つめながらそう呟く平助くん。 「・・・怖い、よ」 「・・・っ」 「京の町を守るその手は、新選組(ここ)を守るその手は、いつ自分の血で染まるか分からない。・・・だから、怖い。平助くんや皆が、傷ついたり何かあったらって、そう考えたらっ・・」 「よ、好乃っ」 気がつけば涙が頬をつたってこぼれていた。 いつも、不安だった。 皆の背中を見送るとき、いつも怖かった・・・ だから願ってた。 いつも、願ってた。
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