87人が本棚に入れています
本棚に追加
一歩、一歩、
互いに引き寄せられるように、ゆっくりと近づく。
土方さんは、以前のように優しくて暖かい瞳で私を見下ろす。
「土方さん・・」
その瞳が、
その優しさが愛しくて。
彼の名を口にした途端、この数日間感じていた寂しさや悲しさ、
すべてが込み上げてきてしまい、気がつけばその胸に抱きついていた。
「・・・好乃」
心臓が、止まるかと思った。
名前を呼ばれるだけで、胸がぎゅっと締め付けられるほど嬉しかった。
改めて、彼の存在がこんなにも私の中で大きくなっていたと思い知った。
最初のコメントを投稿しよう!