其の十二

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抱き寄せられて、とくんと早まる鼓動。 きっと、こんな風にドキドキしているのは私だけなんだろう。 「阿呆」 「え?」 「お前だけじゃねえよ・・」 「・・・!わ、私、声に出して」 「出さなくともお前を見てりゃ分かる」 ・・・超能力、ですかい。 ふっと口許を緩めて、なぞるように私の目元を指先で撫でる。 そのまま耳に指先かゆっくりと移ると、土方さんの熱が伝わってきた。 「・・土方、さん」 「・・・なんだ」 指のはらが首筋を通り、顎のラインをゆっくりと辿っていく。
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