第76話

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さ「おろして下さい!」 開けようと鍵を触るも、鉄の扉は開かない。 ト「飛び下りる気?さくらちゃんは凄いねぇー」 さ「ふざけてないで早く車止めて下さい!」 でも、トキさんは車を細い道へと走らせる。 どんどん人気のない所に行ってる… ト「ねぇさくらちゃん」 “さくらちゃん” えっ…? この言い方… この声… この車… さ「!!!」 ドアのレバーをガチャガチャといじっても、やっぱり開かない。 キキィィィッ!! さ「!!」 急ブレーキと共に、私が座っていた助手席の背もたれはドサッと倒れた。そして、私の視界はドアのレバーから、トキさんへと変わった。 トキさんが、私を押し倒し上に覆い被さってきたからだ。 さ「いや!!!どいてっ!!」 ト「あはは、鈍いねぇ。やっと気付いたの?さくらちゃん」 そう言って私の手を、自分がしていたネクタイで縛る。 さ「ぃゃっ…」 ト「言ったじゃん。“今度は上手く拉致ってあげるから”って」 .
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