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さ「おろして下さい!」
開けようと鍵を触るも、鉄の扉は開かない。
ト「飛び下りる気?さくらちゃんは凄いねぇー」
さ「ふざけてないで早く車止めて下さい!」
でも、トキさんは車を細い道へと走らせる。
どんどん人気のない所に行ってる…
ト「ねぇさくらちゃん」
“さくらちゃん”
えっ…?
この言い方…
この声…
この車…
さ「!!!」
ドアのレバーをガチャガチャといじっても、やっぱり開かない。
キキィィィッ!!
さ「!!」
急ブレーキと共に、私が座っていた助手席の背もたれはドサッと倒れた。そして、私の視界はドアのレバーから、トキさんへと変わった。
トキさんが、私を押し倒し上に覆い被さってきたからだ。
さ「いや!!!どいてっ!!」
ト「あはは、鈍いねぇ。やっと気付いたの?さくらちゃん」
そう言って私の手を、自分がしていたネクタイで縛る。
さ「ぃゃっ…」
ト「言ったじゃん。“今度は上手く拉致ってあげるから”って」
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