第76話

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ガタガタと身体が震え始めたのが分かった。 ト「とりあえず、これは預かろうかな」 指輪が入った紙袋を私の膝の上から取る。 さ「駄目それはっ!!」 ト「返すよ?さくらちゃんが良い子にしてたら…ね」 さ「…どういう意味…」 私の問いかけを無視し、車を降りたトキという男。 助手席のドアを開けると、私をお姫様抱っこして歩き始めた。 怖い… 暫く無言でそのまま歩くトキ。 ザッザッザッ… ザッザッザッザッ… 今はまだ何もされない安心感が出てきて、少しだけ冷静になれた。 さ(…どこだろ…ここ…) 薄暗い林みたいな細い道を過ぎると、古びた小さな倉庫の様な建物が現れた。 そのドアを入った所で私は降ろされる。 ト「どうぞ?」 さ「…」 ドアは今入ってきたドアだけ。 壁はコンクリートが打ちっぱなしで、窓1つない。 ガサッ 部屋の奥を見ると、何か影が動いた。 .
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