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リーンゴーン…
要がベルを鳴らすと、インターフォンから女の人の声が聞こえた。
メ〈はい〉
要「桐生です」
メ〈お入り下さいませ〉
ガコォッ…‥
大きな門はウィーンと電子音を唸らせ、自動でゆっくりと開く。
さ「広っ…」
朝早く要と寮の裏口で落ち合った私は、久しぶりに見る要の私服にまずときめいた。
白と青のストライプシャツに、黒いパンツ姿で現れた要様。
私はというと、朝服を決める時実は凄い悩んだ。高見沢さんの家は資産家と聞いてたし、理由はどうあれいきなり伺うわけだから、デニムという訳にはいかない。
結局玲菜の服を借りた。
グレーのブラウスカットソーに、膝上の黒いプリーツスカート。
それに自分のニーハイソックスとパンプスをはき、要とタクシーで高見沢家に来た。
門が開ききり、入った私はびっくりした。
庭が広い…噴水まであるし…
要「ハハッ」
さ「…何よ」
要「緊張してんのかと思ったけど、大丈夫そうだな」
要がクスクスと笑いながら、私の頭を撫でる。
さ「門から玄関まで距離あるし…誰だってこんなリアクションするから」
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