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さ「あ。」
1番上にあった服のタグが見えた。“グレース”と書いてある。
他の服のタグは見た事無いけど、きっと全部ブランドなんだろうな…。
触ると凄く気持ち良い生地だし。
雅「あ、それ気に入った?」
ひょこっとクローゼットから顔を出したお姉さん。
さ「あ、そうじゃな」
雅「これ下着ねー。あ、サイズ多分近いと思うんだよね。着たら声かけて」
さ「は……はい」
あはは…。私もお姉さんに逆らえないみたい。
手渡された下着はとても派手だった。白と赤の花柄のレース付き。
迷ったけど、いつまでもコート1枚も…ねぇ。
なのでとりあえず、下着を付けて、お姉さんに言われたワンピース…グレースを着てみた。
さ「わぁ」
七分袖のワンピースは、動くとフワフワと揺れる。
雅「やっぱ似合うねーさくらちゃん」
さ「お姉さん。本当ですか?」
クローゼットから出てきたお姉さんが、私を見て褒めてくれた。
雅「それあげる」
笑顔で私が着ているワンピースを指差した。
さ「え!?」
雅「要と本当に付き合えたんでしょ?父さん嬉しそうに話してた。だから私からのささやかなプレゼント」
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