第92話

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さ「あ。」 1番上にあった服のタグが見えた。“グレース”と書いてある。 他の服のタグは見た事無いけど、きっと全部ブランドなんだろうな…。 触ると凄く気持ち良い生地だし。 雅「あ、それ気に入った?」 ひょこっとクローゼットから顔を出したお姉さん。 さ「あ、そうじゃな」 雅「これ下着ねー。あ、サイズ多分近いと思うんだよね。着たら声かけて」 さ「は……はい」 あはは…。私もお姉さんに逆らえないみたい。 手渡された下着はとても派手だった。白と赤の花柄のレース付き。 迷ったけど、いつまでもコート1枚も…ねぇ。 なのでとりあえず、下着を付けて、お姉さんに言われたワンピース…グレースを着てみた。 さ「わぁ」 七分袖のワンピースは、動くとフワフワと揺れる。 雅「やっぱ似合うねーさくらちゃん」 さ「お姉さん。本当ですか?」 クローゼットから出てきたお姉さんが、私を見て褒めてくれた。 雅「それあげる」 笑顔で私が着ているワンピースを指差した。 さ「え!?」 雅「要と本当に付き合えたんでしょ?父さん嬉しそうに話してた。だから私からのささやかなプレゼント」 .
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