第98話

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要「…ら。…さくら!」 さ「はいっ!」 名前を呼ばれ、がばっと起きると要が立っていた。 さ「かにゃめ?」 要「降りるぞ。駅着いた」 降りるぞ?…着いた?? さ「―‥はっ!」 そうだった。今バスに乗ってたんだった! さ「ありがとう!起こしてくれて」 寝ぼけてる場合じゃない!! 私は鞄を手にとり、慌てて要とバスを降りる。 さ「…要は良く起きれたね」 要「寝てないから」 さ「え!?」 要「行くぞ」 私の驚きを無視し、要は私の手を繋ぎ歩き出した。 …要が寝たから私も寝たのに。 なんだよー‥要は寝てなかったのかぁ。なら私も起きて要ともっと沢山話したかったな。 要「思ったより早く帰ってこれたな」 さ「あ、そうだね。だって待ち合わせ朝一だったし」 だから駅前に帰ってきても、まだお昼過ぎ。 要「飯でも食うか?」 さ「うん!」 要「何食べたい?」 優しく私に聞く要。もー胸がキュンキュンしっぱなしだよ。 さ「パスタ食べたいかも。だめ?」 要「さくら様の仰せのままに」 繋いでいる私の手の甲に、軽くキスをする要。 さ「もう!」 また人前でっ…でも、本当要の仕草に私の心は一々反応しちゃうよ。 要「ははっ。じゃあ新しく出来たあそこの店にする?」 .
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