第98話

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さ「……うわぁ」 人混みでぐちゃぐちゃになった髪を手でとかしながら、入った店内を見渡す。 さ「撮影スタジオみたぁい」 店の壁に椅子やテーブルが寄せてあり、真ん中には学校で生徒手帳の写真撮る時みたいなセットがどーんと置いてある。 ???「要君、彼女は?」 私を見て要に話しかける男の人。 要「……彼女です」 ???「へぇ!要君の彼女なんて初めて見たよ。こんにちは」 私に微笑みかけてくれた男の人。 さ「こんにちは…あの?」 ???「ああ、ごめんごめん。俺こういう者」 男の人は、素早くスーツから名刺を出し、私に差し出す。 さ「あ、すみません」 戴いた名刺を見ようとした時、奥の部屋から女の人の声で名前を呼ぶ声がした。 ???「かなめぇ」 要「…」 ???「かなめぇー?」 さ「…呼ばれてる‥よ…?」 要の袖を軽く引っ張り話しかけても、要は応えない。 何か要…更に嫌そうな顔なんだけど。 .
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