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要「結構遠い所にあるんだな、母親の墓」
さ「あ…うん。ちゃんとした綺麗な所にって初基が…いつでも、どんな時でも見栄っぱりだからね…」
苦笑いをして要に話すと、要はニコッと笑った。
要「良い方に考えたらいい」
さ「良い方…?」
意味が分からない顔をする私に、要は私の頭を撫でながら良い方の意味を説明してくれた。
要「兄貴は見栄から良い場所に墓を建てた」
さ「うん」
要「でも…おかげで母親は綺麗な所で安らかに眠れるだろ?」
さ「……あ」
要「な?」
そっか…。
当時このセンターに連れて来られた時、初基の見栄にうんざりしっぱなしだった。
まさかお墓にまで見栄はるのかって…嫌で嫌で堪らなかった。
でも、要が言った通り…お母さんの事を考えたら、お母さんは綺麗な所でゆっくり休めてるんだ。
さ「要って凄いね」
要「お前の事に関してだけな」
照れもせず私を見つめてそう言ってくれた要が、凄く愛しく見えた。
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