第97話

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〈前…次は、花ヶ丘センター前〉 さ「あっ次」 私がそう言うと、要は降りる意志を示すボタンを押す。 さ「久しぶりだな…会うの」 要「そっか」 バスから降りた私達は、センター前で花を買い、借りた桶に水をためてお母さんのお墓を目指して歩く。 要「なぁ…聞いていいか?」 要が真面目な顔で聞いてくるから、私は何だろうと思いながらも頷いた。 要「父親と会ってないって言ったよな?」 さ「あ…うん。あれ以来ずっと」 要「兄貴と父親はどうなんだ?」 さ「え…?」 初基と? さ「わかんない。でも、あの男の事だから、社長である初基にお金借りに行ったりしてんのかな」 要「…そっか。悪かったな、いきなり聞いて」 私は首を横に振る。 でも何でそんな事聞いてきたんだろ… .
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