43人が本棚に入れています
本棚に追加
さ「お母さん、久しぶり。ごめんね、中々これなくて」
私はお墓の前にしゃがんで、お母さんに話しかける。
さ「あ」
線香を持って来た事を思い出し、チャッカマンと一緒に取り出し火を付けた。
さ「今日はねぇ、私の…」
線香を受け皿に入れ、手を合わせながら私は言った。
さ「私の彼氏と一緒に来たの」
手を合わせたまま横にいる要を見ると、要はまだ立ったままだった。
さ「要?」
要「初めまして、桐生要と言います。さくらさんとお付き合いさせて頂いてます」
そう言って、頭を下げた要。
さ「要…」
私は立ち上がり、要を見る。
頭をあげた要は、更にお母さんに語りかけた。
要「さくらさんは、俺にとって大切な人です。さくらさんの可愛い笑顔に、俺はいつも癒されます。ですからどうか…さくらさんの恋人である事を認めて頂きたいのです。まだまだ未熟者の俺ですが、よろしくお願いします」
さ「要!」
私は嬉しくて、要に抱き着いた。
さ「っぐす」
要「なに泣いてんだよ」
優しく笑って、私の涙を拭ってくれる要。
.
最初のコメントを投稿しよう!