第97話

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さ「お母さん、久しぶり。ごめんね、中々これなくて」 私はお墓の前にしゃがんで、お母さんに話しかける。 さ「あ」 線香を持って来た事を思い出し、チャッカマンと一緒に取り出し火を付けた。 さ「今日はねぇ、私の…」 線香を受け皿に入れ、手を合わせながら私は言った。 さ「私の彼氏と一緒に来たの」 手を合わせたまま横にいる要を見ると、要はまだ立ったままだった。 さ「要?」 要「初めまして、桐生要と言います。さくらさんとお付き合いさせて頂いてます」 そう言って、頭を下げた要。 さ「要…」 私は立ち上がり、要を見る。 頭をあげた要は、更にお母さんに語りかけた。 要「さくらさんは、俺にとって大切な人です。さくらさんの可愛い笑顔に、俺はいつも癒されます。ですからどうか…さくらさんの恋人である事を認めて頂きたいのです。まだまだ未熟者の俺ですが、よろしくお願いします」 さ「要!」 私は嬉しくて、要に抱き着いた。 さ「っぐす」 要「なに泣いてんだよ」 優しく笑って、私の涙を拭ってくれる要。 .
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