「18.」

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「だって、エリアマネージャーになったんでしょ?だったらこんなとこいるわけない…」 エリアマネージャーなんて言ったら担当エリアが決められてて、そのエリア全ての店舗の経営管理して、他のエリアなんか来るはずないのに…。 「なんか勘違いしてねーか?」 「え?」 「その話聞いたのって、確か川口だよな?」 「そうですけど」 「あいつが、エリアマネージャーになったらこの店に来なくなるって言ってたのか?」 だって川口副主任言ってたもん。 このまま店に顔出さないんじゃないかって。 だから俺焦って…。 「担当エリアとか聞かなかったのか?」 「それは副主任も解らないみたいな感じで…」 「ったく、からかわれたんだよあいつに」 「へ?」 からかわれたって、ちょっと意味解んないですけど。 「いいか?俺の担当エリアはこの地区だ。しかもこの店の店長も兼任してる。だから、俺は今まで通りこの店に来んだよ。そのことは川口も知ってる。だから、お前はあいつにのせられたんだ」 え? え? えー?! なに、それ? そんなの、聞いてないんですけど! てっきり副主任の口振りから、もう店長と会えなくなると思ってたのに! 「じゃ、じゃあ、会えなくなるっていうのは?」 「そんなことあるわけねーだろ。この俺が野々宮を残したままどっか行くと思ってんのか?」 じゃあ、俺って一人で勘違いして、昨日あんな行動をとっちゃったっていうこと? 会いたくて会いたくて、会ったら会ったで気持ち爆発して、抱きついて泣いて好き好き言って…。 やだ… なんか凄く恥ずかしいんだけど。 思い出しただけで顔が真っ赤になっていくのが解る。 恥ずかしさで顔が熱い。 なんだよ、始めっから担当はここだってこと教えてくれてればあんなことしなかったのに…。 でも、そしたら… 店長との関係は進まなかったんだ…。 「野々宮、これやる」 そう言って俯いてる俺の掌に、店長は何やら握らせた。 なんだろう?と思って掌を開けると、そこには店長の部屋の鍵があった。
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