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「あの、これ?」
「昨日渡しそびれたからな。俺も多少なりに今までよりも忙しくなるし、これでいつでも会えるだろ?」
いつでも会えるー。
その言葉が嬉しくて、俺はその鍵をギュッと握りしめた。
それって、会いに行っても迷惑じゃないってことですよね?
「てんちょー…」
見上げた俺を、店長はグイッと引き寄せると耳許に唇を寄せた。
「早速今日、バイト終わったら部屋で待っててくれると俺は嬉しいんだけどな?今日も、野々宮を抱いて寝てーから」
そんな事を囁くように言われて、俺はそれまで以上に顔を真っ赤にさせると、
「てんちょーのバカ」
と恥ずかしさを誤魔化すように呟いた。
「今回ばかりは川口に感謝だな」
そんな俺をクスリと笑って、俺の頭を優しく撫でながら店長も呟いたー。
END
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