04.「俺にしとけ」

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(店長side) 「終わったぞ」 パソコンを閉じて、俺は椅子から立ち上がった。 作成した資料は本社へ送ったから、明日にでも本社の事務が人数分コピーして纏めておいてくれるだろう。 「野々宮?」 返事がないのを不思議に思って後ろを振り返る。 そこには床の上で丸まって寝ている野々宮がいた。 ったく、遅くなるから寝てろっつったのに。 『終わるまでここで待ってます!』 と元気に言ってたのがこれか。 ま、あれから2時間近くも経ってれば眠くなるのも分かるが。 「これじゃ何の為に風呂入ったのか分かんねーな」 折角温まったのに、風邪ひいちまう。 一向に起きる気配を見せない野々宮を抱き上げて、寝室に向かうとベッドにゆっくりと降ろした。 ったく、このバカは、笑ったり逃げ回ったり、ほんと忙しーヤツ。 でも、泣かれるのだけは勘弁だ。 こいつに泣かれるとどーすればいいのか分からなくなる。 上手く慰められない。 ハタチにもなってねーようなガキ相手に、年甲斐もなくドギマギしてしまう自分がいる。 ったく、俺はロリコンなんかじゃねーぞ。 大体、俺のタイプは仕事での意見も出し合えるようなもっと大人の男だ。 こんなガキのお守りなんてガラじゃねーんだよ。 でも、いつの間にか目が離せなくなってしまったガキに、愛しさを感じるようになってしまったのはいつからだろう? 野々宮、お前に俺はどう映ってる? ただの怖い存在か? それとも、少しは心を許してくれているのか? 「グフフ、いちごポッキーのプールだぁ」 ニンマリと笑みを浮かべて寝言を洩らした野々宮に、俺は深いため息をついた。
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