プロローグ

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これは、小さな小さな『噂』が一人歩きし、大きな悲劇になり人々に襲いかかったお話し…。 一人の男が現れ、こういった。 「知っているか?あの廃校に行くと、何かに掴まれるらしい。掴まれたら痕がどうやっても消えないらしいぞ。」 男は、ニヤニヤと笑いながら楽しそうにそう村人達に言った。 これはこの村、葉山村の観光客が増えるチャンスなのでは…。 と村人達も『噂』を広げた。 小さな小さな『噂』。 増えていく『噂』。 消えることのない『噂』…。 そして、廃校へ肝試しに行く人は年ごとに多くなっていった。 ある者は、 「腕を何かに掴まれたから逃げてきた。」 またある者は、 「笑い声がたくさん聞こえてきたから逃げてきた。」 などなど…。 他者多用だが村人達は、村人の中の誰かの仕業だろうと笑って過ごしていた。 そして、そんなある者のこと。 それは曇りの日のことだった。 廃校からまだ新しいと思われる死体が発見されたのは。 村人達は死体を見てゾッとした。 死体は、胴がズタズタに切り裂かれていて片方の腕がキレイになくなっている。 そして、いちばんは…。 首から上が無い。 村人達は、流石にヤバイと思ったのか。 正体を突き止めるために使いを出した。 三人の使いを…。 一人は、勇ましい頑張り屋な少年のマサル。 二人目は、世話焼きな優しい少年のリュウ。 三人目は、毒舌で男前な少女のアサヒ。 この三人が例の廃校へ向かった。
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