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「母さｰん」
「んｰ?」
奥の方から陽気な声がした。
「あら,いらっしゃい」
現れたのは剣持のお母様だった。
本当に剣持は,この人の子供なんだろうか。
剣持は近寄り難いけど,お母様は近所にいるお姉さんって感じ。
でも何処となく剣持に似ているような気がする。
「って,姉貴かよ」
お母様じゃなくてお姉様だったの?
若すぎると思った。
「あら,私じゃ不満?」
「別に,で母さんは何処に居んの」
「買い出ししてる」
剣持のお姉様…綺麗。
「んで,歩」
「んだよ」
「その可愛い女の子誰?
まさか歩の彼女?女子校に進学したから彼女出来るのかと思ったら本当に彼女出来たのね!
えと、お名前は?」
「彼女じゃねぇよ,同級生。
此奴腹減ったらしいから何か作ってやって」
「はいはｰい,んでお名前は?」
手を握られて。
「け,剣持さんの同級生の…椎名 乃愛です…」
「姉貴,幾らﾀｲﾌﾟだからっていきなり質問攻めするのは辞めろって。
此奴困ってんだろ」
「あｰごめんね乃愛ちゃん。
歩と居て面倒でしょ?此奴ね全然素直じゃないけど幼い頃は可愛かったのよｰ?」
「え,全然想像出来ません」
「でしょｰ?今から作るから待っててねｰ」
そう言ってお姉様は厨房に戻った。
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