放課後デート!?

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剣持の家は私が通っている駅から2駅ほど離れた所にあるらしい。 帰宅時期だからか徐々に混んでいく。 流石都会だ,と言いたい所だけどもう慣れてしまった。 18時を回っていた。 こんな時間帯にお邪魔していいのだろうか。 同じ高校の制服も人も沢山いた。 鳴海さんが居ないだけまだマシか。 もし,鳴海さんが私と剣持が同じ車両に乗っていて隣にいるなんて知ったら気が気でないだろう。 協力者である私が剣持の隣にいるのが気に食わないに決まってる。 なんて考え事してると,車両が傾いて。 「きゃっ」 剣持の方に倒れてしまった。 「大丈夫か?」 剣持が私を支えてくれたお陰で倒れ込む事はなかったが,まるで抱きついているようだった。 剣持が心配そうに私の顔を覗き込む。 「ご,御免」 離れようとしたら,腕を引かれた。 「別に大丈夫だろこうしてても不自然じゃないって。 それにこんなに混んでるんだからこの態勢になっても仕方ないだろ」 やけに説得力のある剣持の言葉。 「そ,そうやな…」 納得した私は,暫くこの態勢にさせてもらった。 本当に抱きついているようにしから見えない。 まぁ幸い剣持と私は女の子だから不自然ではない。 心臓が鳴り止まない。 おかしいくらい鳴り止まない。 ただ都合があって抱きついているような態勢になってるだけなのに。 相手は犬猿の仲の剣持だよ? なんでなんで… こんなに心臓が鳴り止まないのだろう。
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