放課後デート!?

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いつの間にか,駅に到着していて。 「ほら行くぞ椎名」 そう言って,私の手を引く。 「あ,ちょっと剣持…!」 歩くの速いよ剣持! 「んだよ,煩いな」 「あ,歩くの速い…」 「御前がチビなんだよ馬鹿。 …ったく,ほら」 そう言って私の歩幅に合わせて歩く剣持。 本当は凄く優しいんだな。 って何感心してんの私。 剣持だよ?あの剣持だよ? 何考えてるか分からないような奴だよ,見返り求めるに決まってる。 絶対見返り求めるよ彼奴の事だし。 決めつけるのは良くないけどさ。 「剣持の家ってどんなとこ?」 「普通の家」 「うん,それは分かるよ」 「もうすぐ着くから」 左の角を曲がると1件の飲食店が。 「此処,俺の家」 え? 此処って凄く有名な飲食店じゃん。 雑誌に載ってるし,関西でもチェーン店があるくらいだし相当有名な所。 「お金あるじゃん絶対」 「そうでもないぜ,俺の家お金ないから」 「はぁ? 何それ嫌味?有名飲食店の癖に!」 「まぁそうだけどさ」 「お金あるやろ」 「それがあんまりないんだな」 「あるやろ,有名なんやから! 此処ってあれやろ?予約待ちとかあるらしいし」 「まぁ,俺の祖父から始まったからな」 「へぇ…ってこの店の社長?」 「そ,俺社長令嬢」 「ほら,お金あるやんふざけんな剣持!」 「まぁ,立ち話もなんだし中入ろうぜ」 そう言われて,店の中に案内された。 凄く綺麗な店内で居心地がよかった。 「何か食う?」 「ううん,大丈夫」 そう言った瞬間,お腹が鳴った。 多分剣持にも聞こえていたであろう。 「ほら,やせ我慢は良くないぞチビ。 食え食え,金は俺が払うからさ」 「いやいや! それは剣持に悪いからちゃんと私が払うって!」 「チビでもちゃんとそういうの弁えるんだな」 「チビ関係ないし。 それで,折り入って話したい事って?」 「あんさ,金に困ってんだったらうちでバイトしねぇか? 勿論,無理なら無理でいいし」 「剣持が嫌なんじゃないの?」 「別に,裏口から入ればいいし」 「えと,御両親には話したん?」 「親が募集してて,だから単にバイト探しに困ってる御前を誘っただけだよ」 「成る程…私,バイトするわ」 「俺と会う事になるけど?」 「いいよ別に」
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