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自動ドアを抜け、外に出る。もう11月、涼しいを通り越して寒い。身震いした。 「大丈夫?」 振り返ると、いたのは講師だった。 「ええ。日本酒は合わないみたい」 「ははは、そうなんだ。寒くない?」 講師は着ていた自分のスタジャンを脱ぎ、私の肩に掛けた。私は雑草なのだ、薔薇のように手にはしてもらえない。薔薇は花びらが落ちないようにそっと取り上げられて愛でてもらえる。少々萎れたらポプリだドライフラワーだと構ってもらえる。雑草は手にされたら最後、邪魔だと引き抜かれて放り投げられる。  
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