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「……どうしてくれるのよ」 「何をですか」 「逃しちゃったじゃない、今夜の魚」 「あなたはこの期に及んでそのようなことを」 「ベッドで相性を確認して、良ければお付き合いしようと思ったの。遊びじゃないわ、悪い?」 「全くあなたは……」 センセイは一度振り返り、講師が戻ったのを確認した。 「彼は既婚者ですよ。指輪をしてたでしょう?」 「え……」 私は絶句した。どうりで胡散臭かった訳だ。結婚指輪を右に嵌めてごまかしていたのだ。 「気付いてなかったのですね」 「そ……そんなの分かってたわよ」 「分かって付いていくのですか? 矛盾してますよ」 そんなことを言うのは狡い。私を心配してるみたいに。放ってくれた方がマシだ。 「私が……」 .
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