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「小川さん」
私の隣にいた女性が声を掛けてきた。例の女性、会社のロビーで合コンを願い出た人。
「小川さん、院生見てましたけど好みなんですか?」
「そうね」
「じゃ、席を変わりませんか」
彼女はチラリとセンセイを見た。センセイの近くに行きたい、ということだろう。
「いいわよ」
「ありがとうございます」
私は化粧室に行くと言って席を外した。あからさまに席を変えるのも失礼だと思った。個室を出て外の空気を吸いに行く。頃合いを見計らって戻ると彼女は既に私の席に座ってセンセイに酌をしていた。
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