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「以前とあまりお変わりにならないのが不思議で」
「あ、キミが先生の知り合い?」
「ええ。学生の頃に親不知を抜いてもらいました」
「ははは。そうなんだ」
講師はゴマ塩みたいな髭が付いた顎を手で擦る。涼木先生は上手でしょう、あの飄々としたマスクに皆が騙されます、と笑った。
「騙される?」
「涼木先生に、痛みは無い治療だ、とクールに言われると患者さんは本当に痛くないらしくてね。催眠術みたいなもんです」
「そうですね」
講師は、日本酒飲める?、と徳利を持つ。私は盃を取って酌をしてもらった。
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