23

9/10
前へ
/32ページ
次へ
センセイは同期の指を掬うように持ち眺めていた。綺麗に施されたネイルを見ているのだろう。 「なんてね。そんなんじゃないよ、ただの願掛け」 「ふうん」 私は腹が立って講師の手に触れた。指輪をなぞる。 「シルバーですか?」 「プラチナじゃないかな、だいぶ傷は付いてるけど」 同期を盗み見る。 センセイに指を握られて恥ずかしげに俯いていた。そしてセンセイは身を乗り出して同期の首に顔を近付けた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

534人が本棚に入れています
本棚に追加