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気がついた俺は病院のベットにいた。病院の独特のにおいがする。
「あ、起きた?」
横には杉原先生がいて、俺の顔を覗きこんでくる。
よく見ると先生はキレイな顔をしていた。ふにゃんとした笑顔も可愛い。
「ん?どうしたの?」
「いや、なんでもないです。」
「そう?そういえば…これからどうする?」
えっ…。
あ、そうだ…両親はもういないんだ。不思議ともう受けとめている自分がいた。
「とりあえず、親戚に連絡をしないとね…。電話番号わかる?」
「家に帰れば…。」
「そっか…じゃ、もう少し休んだらかえりな?送っていくことは出来ないけど…」
「いえ、もう大丈夫です。ありがとうございました。」
俺はベットから立ち上がり、先生にペコッと頭を下げた。
「そう?なにか、辛いことあったらいつでもおいでよ?
俺はカウンセリングもやってるからさ。
ちなみに名前は杉原郁斗、よろしくね?」
先生はまたふにゃんとした笑顔で言った。
「ありがとうございます、郁斗先生。」
俺がそう言うと、また笑った。
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