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コツコツ…
俺と先生の足音だけが廊下に静かに響いていた。歩いているときにふと、ある疑問が頭によぎった。
「あ、あの…先生」
「ん?どうしたの?」
先生は振り返らずに反応をした。
「どうして俺が栗星だと…?」
「……………………君の両親のカバンの中から写真が出てきたんだ。君の家らしき所の前で君と両親が幸せそうに写っている写真をね。」
最近、撮った写真だ…。俺の父親が写真好きで定期的によく撮っていた。そんな、平穏な生活も戻ってこないのか…。
考えているうちに、霊安室というところに着いた。
「いい?開けるよ?」
さっきの先生とは別人となり真剣な顔で俺に言った。
俺は声を出すことなく、首をコクンと頷いた。
中に入ると、線香の臭いがして二人の人間が顔に布を被せている状態で俺を出迎えた。
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