はじまり

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俺たちはただただその群れをボーーと見ていた。 そうして、どんどんと近づいてくる人の波に俺たちは気づけないでいた。 女子たちは我も我もと、どんどん美男子に群がっていく。 その時、俺の乗っていたベンチが人波に押されて傾いた。 未「ッえ..」 由「っ、あ!未来!」 俺の方に手を伸ばす由貴の姿が後ろに傾いた。 未「・・・・・・・っ」 ぎゅうっと目を瞑り、襲いくるであろう痛みに備える。 ......目瞑っても痛いもんは痛いけど。 だけど、どれだけ待っても痛みは訪れない。 むしろ、なんか、あったかい....? てかなんかいい匂いするし.... パチッと目を開けると、一番最初に目に入ったのは誰かのネクタイ。 「あの、大丈夫ですか?」 真上を見ると 未「え?」 あの美青年が。
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