26

2/9
486人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
水曜日に予定など無かった私はボンボンに連絡をした。就業後コーヒーショップにいる、迎えに来て、と。ボンボンは渋々ながらも受けてくれた。 私は同期にセンセイに会いたいと言われて皮膚が浮いた。センセイに抱かれたのは紛れも無い事実なのに、浮足立った。センセイは私を選んでいない気がした、私を好きで私を抱いていない気がした。 あんなにセンセイの唇は私の唇を求めていたのに、セックスで気持ちも体も満たされたのは私だけだと思った。だからセンセイが再び同期に会えば、センセイは同期を求めると直感した。ハコベと薔薇が並べば、薔薇を取るのが普通だ。薔薇に囲まれたセンセイは気まぐれでハコベを取った、でもひとしきり眺めたあとはポイ捨てするに決まってる。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!