第1章 編集者 皆瀬 真人

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僕の名前は皆瀬 真人 。 小さい頃の夢は警察官だったが気がつけば出版会社に勤めて早3年が経ち、いわゆる今では編集者という職に就いている。 仕事が忙し過ぎて恋愛する時間なんて勿論皆無だ。 周りのツレからは『出世頭』と囃し立てられるが実際、会社は赤字で先月分の給料すら支払われてない。 それどころか今日で倒産してしまうかもしれない。 現実とはこんなものだ……。 そうこう考えていると会社の扉の前まで着いていた。 いつもと変わらない重い扉を開けると社長は時計を見ながら眉間に皺を寄せこう言った 。 『皆瀬。遅刻は免れたな。早速だがモタモタしている時間はない。そう時は来た! 本日は我が社の歴史に残るであろう関ヶ原の合戦になる。 これで社員全員が出社完了というわけだ。 さぁ皆の衆いざ出陣だ~ ~!』 ……。 『全員って言ってもこの会社、僕と社長二人だけですよ』 高揚している社長とは真逆に僕は冷静に応えた。 社長は得意の咳払いを二、三回し 『織田信長に対して失礼極まりないぞ! 社員が0人になるも10人になるも100人になるも、皆瀬・・・お前の今日の結果にかかってるんだよ』 そう言って顔を近づけてきた。 僕は場の雰囲気から敢えて 『徳川家康の間違いですか?』 とは言わなかった。 他力本願な社長に二人で行くことを提案しようとも考えたが先手を打つように、わしはお腹が痛いだの社長としての仕事が山ほどあるだの行く気は毛頭なさそうだ。 それもそのはず社長は、あの作家が苦手なのだ。 はなから 一人でいくつもりだった僕は再び重い扉に手をかけ部屋を出ようとした瞬間、 社長は安堵した様子で・・・ 嫌だが信長の称号は皆瀬にあげよう! 信長殿、鴨志田の首とったれ~! よっ!名編集者! 副社長! 徳川家康! 豊臣秀吉! ビルゲ○ツ! ザックジャパン! U字○事! 僕はこの会社を選んだことに対して丁度百回目の後悔をし無言で扉を閉めた。
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