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「あーもう……。目覚まし買わなきゃ……。」
いつもと違う時間。
まるで違う場所にいるような錯覚を覚える。
満員電車の中、私はそんな事を思っていた。
「…… ……ん?」
何かお尻のあたりに何か違和感を感じた。
それは背筋がぞ~っとするもの……。
やだっ。痴漢!!
私はその手から逃れようとしたがここは満員電車の中。
逃げたくても逃げられない狭い空間だった。
その手はそれを知っているかのように段々と大胆なものになっていく。
私はチャンスを伺っていた。
絶対泣き寝入りなんてするものか!
そう心に決めて……。
数分もしないうちにチャンスが訪れた。
電車がカーブを曲がる。
重力で全体が傾く。
私はその隙にそいつの手を掴んだ。
「この人痴漢です!」
私はそいつの手を上げた。
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