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そいつは驚いた顔をして私を見た。
結構若いじゃない。
私は心の中でそう思った。
「次の駅で降りてもらうから。逃げようったって無駄よ。証人はいっぱいいるんだから」
私は周りに聞こえるような声で言った。
するとそいつは……。
「俺じゃねーよ。犯人はこいつだよ」
そいつにしっかりと手首を掴まれてる……。
えっ?……おやじ?
そのおやじは顔を強張らせてて震えていた。
「すいません。もうしません。ですから警察だけには……」
おやじは声を震わせながら叫んでいる。
「そうはいかねーよ。俺が痴漢扱いされたんだ。この落し前、しっかりつけさせてもらわないとな」
その若い男は私の方を見てニヤリと笑った。
間違えた!!
私は急に恥ずかしくなってきた。
ど……どうしよう……。
そんな事を思っているうちに降りる駅に着いた。
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