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「あ……ありがとうございました」
私は深々と頭を下げた。
私が痴漢だとおもっていた男……。
実は私が痴漢にあっているのに気付き、隙間が出来た瞬間に痴漢の手首を掴んだ。
その時に私が間違えてこの男のてを掴んだのだった。
「どうもすいませんでした。
恥ずかしい思いをさせてしまって……」
「本当だよな。俺がお前みたいなじゃじゃ馬のケツなんて触るわけねーだろ」
じゃじゃ馬?私の事?
「ちょっと!初対面の人に失礼じゃないですか?」
私はムカっとして食ってかかった。
「俺は刑務所にいれられそうだったけどな」
私は返す言葉がなかった。
確かにそうだ……。
でも……なんかムカつく!!
「お前、会社はいいのか?」
「えっ?」
男の言葉で私は時計を見た。
AM 8:50
「やばい遅刻だ!それじゃ……あっ!本当にすいませんでした。このお礼はいずれ!」
私はダッシュでその場を後にした。
「いずれって……。俺の事何も聞いてこなかったくせに?
ププッ……面白くなりそうだな。
松本美由か。覚えておくよ」
その男はゆっくりと歩き始めた。
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