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「まだ吹っ切れてないんだな」
「そんなことないよ」
私を心配して義春が来たみたいだ。
「俺の前でそんなに強がんなくてもいいのに……」
私と課長の事を知っているのはここにいる義春だけ。
たまたまデート現場を見られたのがきっかけだった。
課長に振られた夜、義春は一晩中私に付き合ってくれた。
何よりも嬉しかったのは誰にもその話をしなかった事。
ずっと内緒にしていてくれていた。
今でもずっと……。
「美由……俺さぁ」
「あっ!そろそろ部長くるんじゃない?戻んないと……。義春もサボってんじゃないわよ」
「あのな~。まぁ吹っ切ったんならいいけど……。っておい!待てよ!!」
義春は私の後を慌てて追いかけた。
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