課長の涙

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都内を走る車、私は窓の外の景色を眺めていた。 「どうした?やけに大人しいな」 課長はまたタバコに火をつける。 よく吸うなぁ。 私は窓を開けた。 「あっ、煙り嫌いか?」 私が煙くて窓を開けたと思った課長がタバコを消そうとする。 「いえ……。外の空気が吸いたくて」 「そうか……」 課長は手を止めもう一度ゆっくりと煙草を吸った。 「電車じゃないんですね」 私は奥田課長と初めて会った日を思い出して言った。 「ああ……。あの日は初日だったからな。まさかあんな目に会うとは思わなかったけど」 うわー 私地雷踏んじゃった? 「あの時はホントにすいませんでした」 とりあえず素直に謝る。 「いや。いい経験させてもらいましたよ。でもまさか部下だったとはね~。同じ会社だってのは分かってたけどさ」 今の言葉に私は課長の顔を見た。 「知ってたんですか?」 「お前調書書いた時、会社名も記入したろ」 「うわ~~」 怖いなー。 「なんだよ!」
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