課長の涙

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運命?そんなの……。 『俺たちは運命で結ばれてたんだよ。美由……結婚しような』 「おい?どうした?」 黙りこんだ私に課長が声をかける。 「……ないで……」 「ん?」 「運命だなんてそんな簡単に言わないで下さい」 私の剣幕に奥田課長は驚いた顔をしていただろう。 私は顔を上げる事ができなかった。 「……だな」 奥田課長はそう言うと私の頭を優しく叩いた。 その手は温かくまるで『大丈夫だよ』と言っているみたいだった。 そのあと大した会話もなく車は無事私の家に着いた。
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