酒は飲んでも呑まれるな

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あの日からまた1週間がたった。 「どうぞ」 私は奥田課長のデスクにコーヒーを置く。 奥田課長は資料に目をやりながらコーヒーを一口飲む。 「……58点」 今日もまた採点。 まぁ赤点ではないけど……。 「その8点って微妙な数字ってなんですか?」 「言わなくても入れてきたからな。3点プラスしてやった」 奥田課長は変わらず私に対してドS男だ。 最近は奥田課長がコーヒーをほしがってる事が何となく解るようになってきていた。 奥田課長はコーヒーが飲みたくなると机を指でポンポンと叩く。 その癖に気が付いているのはきっと私だけだろう。 「仕事に戻っていいぞ」 「言われなくても戻ります」 私はお盆を抱え給湯室に戻った。 「可愛くない奴」 奥田課長が何か言っていたが聞こえない振りをする。 私は最近この奥田課長の攻撃になれてきていた。 言われたら言い返すこれが私のモットーだから。
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