907人が本棚に入れています
本棚に追加
「美由ちゃん。インスタントでも美味しく入れられるんだよ。
コーヒーだけじゃないすべての物にね。知りたい?」
「教えてやってくれ!こいつの入れるコーヒーまずいんだよ」
「だったら私に頼まなければいいでしょう!」
まったく!一言多いのよ!!
「こらこら。まったく。
美由ちゃんいい?とっておきの調味料……。それは愛情だよ」
「愛情?」
「そう。心を込めて入れるんだ。そうすれば美味しくなるよ」
確かにそうかもしれない。
愛情があれば丁寧に入れるもんね。
でも……でも……私は……。
「課長。申し訳ありませんけど不味いコーヒーずっと飲んでて下さい」
「はぁ?」
「だって私……。課長にこれ~~~~~~っぽっちも愛情なんてありませんから」
「松本ぉ。お前。上司に対する愛情はないのか!」
「ありません!」
「なに~~~~!!」
「課長はモテるんですから他の子に愛情た~っぷりの入れてもらえばいいじゃないですか」
「……お前……。やきもちやいてるのか?」
奥田課長がニヤリとする。
「だっ……誰がやきもちなんてやきますか!それとも何ですか?私に愛情入れてほしいんですか?」
奥田課長は言葉を詰まらせた。
やった!私の勝ち!!
最初のコメントを投稿しよう!