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～美由～
昨日はなかなか寝付けなかった。
でも眠気というものはやってくるもので……。
あれ？ここどこ？
寝ぼけていた私は部屋を見渡す。
少しずつ昨日の記憶がよみがえってきた。
「ここがお前の部屋だ」
そう、昨日からここが私の部屋。
時計を見ると午前８時を回っていた。
今日はお客さんの所に寄ってから会社に出勤する。
時間にはまだ余裕があった。
私はリビングに行きコーヒーを沸かす。
まだ勝手が分かっていないので物を探すのに時間がかかってしまった。
コーヒーを飲みながら私はリビングの隅にあるドアに目を向ける。
このドアを開ける日がくるのだろうか？
唯一私と奥田課長をつなぐドア……。
今日から私と奥田課長は偽りの恋人同士。
くすぐったい気持と切ない気持が入り混じりなんとも言えない気持だった。
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