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松本は少し落ち着いたのかもう泣いてはいなかった。
きちんと高山と話がしたかったのだろう。
「高山さん、私は部下想いの優しい課長の高山さんが好きだったんです。今の話を聞いて……高山さん本当は社員の為に今まで頑張ってきたんですよね。」
「……ああ」
高山は少し照れたように返事をした。
「よかった……。変わってなくて」
松本は笑顔で言った。
それはこの場にいた男3人がドキッとするぐらい泣きはらした顔が清々しくとても眩しく見えた。
「私は今とっても幸せです。何も言わなくても私の事解ってくれる人がいます」
松本は俺の顔を見た。
そしてまたその笑顔を向けた。
「だから高山さんも奥さんと幸せになって下さい。いくら社長の椅子がほしかったからって嫌いな人とは結婚しないでしょ?ちゃんと奥さんを愛してあげて下さい。」
「美由……」
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