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「奥田課長!」
「ん?」
松本に呼ばれあいつの方に顔を向ける。
「すいません。倉庫の整理を高山さんに手伝ってもらったんですが閉じ込められてしまいました。ドアは私が弁償しますので今日の事は……」
それが……。お前の答えなんだな。
俺は頷きそして言った。
「わかった。これからは注意しろよ。それと……、高山さんはお客様だ。手伝わせるなんて甘えるにもほどほどにしろ!」
と上司として松本を注意した。
すみませんと頭を下げる松本。
そしてチラリと上目使いに俺を見てエヘッと舌を出した。
「美由。いいのか?」
長谷部は納得がいかないのだろう。
「義春もごめんね。美理も……いいわよね。」
「うん」
美理は元気よく返事した。
「美由……すまなかった……本当に……」
高山は松本に頭を下げて謝った。
「私はもういいです。でも美理にはちゃんと謝ってください」
そう言われて高山は美理の方に深々と頭を下げた。
「美理ちゃん、怖い思いさせてごめんな」
「いいえ。よかったです。お姉ちゃんの好きだった人が本当に悪い人じゃなくて」
松本の人の良さは親譲りなんだろう。
美理を見てるとそう思う。
姉妹そろってお人よしだ。
俺は高山を立たせたそして言った。
「川東部長が待ってる。早く行った方がいい。契約できなくなるかもしれないぞ」
「ああ」
俺は松本の肩を抱いた。
「じゃ行こうか」
3人を促し外へ出ようとしたが足を止めた。
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