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課長の不意をついた言葉に私は顔が真っ赤になった。
どうしてこの人はこうゆうセリフをサラリと言えるんだろう。
「はいはい!そこイチャイチャしない!そろそろ時間よ。」
時間……。私は一気に緊張してきてしまった。
考えてみたら課長のご両親に会うって事よね。
私……うまく出来るの?
なんにも英才教育受けてない一般市民の私に務まるの?
「お前……緊張してるのか?」
ガチガチになってる私の肩に手を置いて課長が言った。
「当たり前じゃないですか!」
「心配すんな。俺がついてる。ちゃんとエスコートするから俺についてこい」
俺についてこい……。
この言葉を聞いただけで安心出来るのは相手が課長だからだろうか。
「はい……」
私は小さな声で返事をした。
「ではお嬢様、参りましょうか?」
奥田課長が腕を差し出す。
私が腕を組もうとした時だった。
「お兄ちゃん一緒に行こ」
蜜香子ちゃんが課長の腕を取った。
「こら!蜜香子!!」
蜜兎さんが蜜香子ちゃんに注意をしたが、
「そんなケバイ女にお兄ちゃんは渡さないもん!ベーだ!!。お兄ちゃん行こうよ」
課長は蜜香子ちゃんに引っ張られるように部屋を出て行ってしまった。
「まったく……蜜香子には困ったもんね。美由さん行きましょうか」
「はっ……はい」
私はこれからどうなるのか不安でいっぱいになった。
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