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「でも……お前が俺の事好きだったなんて」
「えっ?」
キスの余韻に浸っていたら課長がからかうように言った。
「えっ?じゃねぇだろ!いやー大胆な告白だったなぁ~」
「あっあれは……勢いっていうか売り言葉に買い言葉みたいなそんな感じで。芝居!芝居です!!だって私たちは恋人同士なんでしょ?ほら!みんな騙せたし……」
私は焦って早口になってしまった。
課長はクスッと笑うと左手を私の後頭部にやり右手で私の左腕を掴み引き寄せる。
「いいから黙ってろ」
そう言って唇を重ねる。
それはさっきのキスとは違い何度も角度を変えさらに深く…深く…。
えっ?ちょっと!!
息が出来ず酸素を求めて逃げようとしたが逆効果で、薄く開いた唇から、遠慮なしに課長の舌が入ってきた。そして逃げる隙を与えず、蹂躙するように動く。
「……っ。……んっ!!」
吸いついて舌を絡めて、唇を舐めて、飽きることなく繰り返してくる。
思考を取り上げるかのように、彼の熱い舌は執拗に追いかけてきて、吐息を甘くする。
私の中で何か熱いものを感じて……。
ただキスをしているだけなのに官能的に引きずりこんでいくんだろう。
きっとこんな経験したことない私にでも解る。
こうゆうのをキスが上手のだというんだろうか……。
やっと唇が解放された時には私は腰が砕けてしまって課長に支えてもらわないと立っている事が出来なかった。
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