887人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
ボーっと見てたから突然声をかけられてビックリしてしまった。
「あ……っ。終わりました」
私は美由さんに書類を渡す。
「あれ?さっきの!」
彼が私に気がついたようだ。
覚えててくれただけでなんだか嬉しい。
「何、義春。まさか私の可愛い後輩にもう手を……」
美由さんが彼を睨む。
「バカ!ちげーよ。さっきそこでぶつかったんだよ。ねっ?」
同意を求めるように彼が私に言う。
「はい。さっきはありがとうございました。あの~」
どちら様ですか?
そう聞こうと思っているとひよりさんがまるで私の心を読んだ様に彼を紹介してくれた。
「あーそうか。半月居なかったんだっけ……。長谷部義春。私達と同じ部署よ」
「よろしくねっ!え~っと……」
「神埼真生です。今美由さんの引き継ぎをしてます」
私は慌てて自己紹介した。
「新入社員よ。変な事しないでよ」
「するか!」
「仲いいんですね」
思わず声に出して言ってしまった。
「ああ。私達同期だからね」
それだけじゃない気がする。
私はそんな予感がした。
最初のコメントを投稿しよう!