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資料室はシーンと静まり返っている。
気まずい……。
何か話さなければと思うけど思い浮かぶのは沙織さんの事だけだ。
彼女のこと聞いていいのか躊躇する。
クシュン!
私が真剣に悩んでるのに暢気に隣でくしゃみをする課長を軽く睨む。
「寒みーなー」
手をすり合わせて息を吹きかけてる課長。
確かに寒い。
春とはいえ、まだ夜は冷え込む。
二人並んで座ってるとはいっても微妙に距離があり余計寒々しく感じる。
だからって今更課長の隣にピッタリ座るのもどうかと思うし……。
「お前……。寒くねーの?」
課長は私の方を向いて言った。
何故か目線が上下してるように見えるんだけど……。
「なるほどな。寒くはないか」
課長はニヤッとしながら言う。
まさか!皮下脂肪がいっぱいついてるからとかそうゆう事ですか?
私の勝手な憶測だけどなんかムカつく!
私はプイッと反対方向を向いた。
すると私の左肩に課長の手が伸びてきて私を抱きよせた。
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