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突然の出来事に声が出ない。
「お前やっぱ温かいな」
そりゃ温かいでしょうよ。
課長と私は密着した状態。
「お前顔赤いけど?」
「なっ!」
悟られてドキドキが止まらない。
どうか課長に聞こえませんように……。
それにしてもいつまでこの状況が続くんだろうか。
間が持たない。
この際だから沙織さんの事聞いてみようか?
そんな事が頭の中を過った。
でもちょっと待って!
それを聞いて自分が傷つくだけなんじゃない?
課長は今でもきっと沙織さんの事好きだと思う。
沙織さんももし課長を好きだったら?
課長はこう言った。
私に好きな人が出来たら契約は解除だと。
なら逆もあるってことだよね。
でも課長の気持ちを聞いてみたい気がする。
傷は浅い方がいい。
今なら……今なら……。
「か……っ。かっちょう」
あっ!
こんな時に咬むなんて……。
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