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役員専用の食堂に着くといつもの席に千恵が座っていた。
私とひよりが席に着くとすぐにオーダーを取りに来る。
食堂と言っても本格的なレストランだ。
「ねぇ?どうなの?」
千恵が水を飲みながら澄まして言う。
主語がなくても何を聞きたいのか分かる。
それぐらい密度の濃い付き合いだから。
「もう知ってるんでしょ?」
「まぁね」
ほらね。
千恵の情報網は半端ない。
「ちょっと!二人で何訳分かんない事言ってんのよ」
どうやら若干一名取り残された人物が一人。
私と千恵の顔を交互に見て頬を膨らませる。
「昨日来たデザイナーの話よ」
「ああ。あの人の事ね。まさかと思うけど……」
「ひよりの考えてる通りよ」
「ふーん……やっぱりね」
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