721人が本棚に入れています
本棚に追加
「噂をすればなんとやらね」
私たちの視線の先には入口に立っている沙織さんがいた。
やばっ!目が合った。
私は慌てて食事を始めた。
だが既に遅し……。
コツコツと沙織さんのヒールの音が近づいてくる。
「松本さん?」
頭上から沙織さんの声が聞こえてくる。
私は顔を上げるしかなかった。
「ここで食事してるの?たしかここって……」
「役員専用ですけど?」
私の代わりにひよりが答えた。
「なぜあなた達が?」
「社長の許可いただいてますので」
千恵が秘書の顔で言った。
千恵の顔を見た沙織さんは「ああ」と納得し、
「御一緒してもいいかしら」
とまだ返事をしてないのに空いているひよりの隣に座った。
最初のコメントを投稿しよう!