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私達の前にもコーヒーが運ばれてきた。
沙織さんがきっと私達の分も注文したのだろう。
こうゆうことがスマートに出来るってやっぱり大人の女性だなと改めて思った。
「で?どうなのかしら?」
沙織さんの声が突然飛び込んできた。
目を向けると私の方を見ている。
一瞬何を言われてるのかわからなかったが、
「松本さんから見て彼女とかいそう?」
と言われ課長の事を言っている事に気がついた。
『私が彼女です』
そうハッキリ答えればいいのだ。
たとえそれが契約してるものでもあと1年は私は課長の彼女。
それは世間で通ってるものだから。
でも……本当に言っていいのか迷っていた。
少なからずこの会社にいる人は知っている。
私が言わなくても近いうちに沙織さんの耳に入るだろう。
なら別に私が言わなくてもいいのではないだろうか。
沙織さんの気持ちを知ってしまった今嘘の彼女を演じていいのだろうか。
そんな想いが頭の中を駆け巡った。
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