視線

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「課長……でもいいんですか?」 沙織さんに誤解されても……。 課長の大事な人なのに。 「いいもなにも、お前は今俺の恋人だろ?」 課長にとっては何気ない言葉なのかもしれない。 でも今は恋人って事は契約が切れればもう……。 胸がギューっと締め付けられる。 嬉しいはずの言葉も私にとっては寂しい一言だった。 「堂々と胸張ってろ」 「はい……」 課長に私の返事が聞こえたかどうか分からないが一向に課長の腕は私の首に絡めたままで離そうとしない。 私の耳に聞こえるのは課長の心臓の音だけ。 それがとても心地よく聞こえ安心できる場所。 今は私だけの場所。
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