視線

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「あ…いや…」 課長、太郎くんが困ってるじゃないですか。 私はキッと課長を睨んだ。 「すいません。お邪魔してしまって」 太郎、変な気を使わなくていいから。 「で?中村何の用だ」 課長はなんも慌てた様子もなく私の睨みもスルーし冷静に太郎くんに話かける。 「あ……課長に見ていただきたい資料がありまして」 「そうか。営業部だな」 課長は私の頭をポンと軽くたたくと、 「松本、今から建設会社に言って施工図貰ってくてくれ」 そう言って給湯室を出て行った。 取り残された私と太郎くん。 先に口を開いたのは太郎くんだった。 「ビックリしました」 そりゃ驚いたでしょっ! 「でも……本当に付き合ってたんですね」 悪かったわね!似合ってなくて! 私は太郎くんを一睨みして言った。 「いつまでここにいるの?課長もう行っちゃったわよ」 「やべっ!」 太郎くんは慌てて課長の後を追いかけた。
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